JOSHIBI アーティスト・イン・レジデンス / JOSHIBI Artist in Residence

本学では2022年度より「JOSHIBI アーティスト・イン・レジデンス」(JOSHIBI AIR)を試験的に開始いたしました。
2024年度は9月より海外協定校の卒業生より1名、本学卒業生より1名のアーティストを招聘しています。
Joshibi University of Art and Design has launched the JOSHIBI Artist in Residence (JOSHIBI AIR) pilot program in 2022.
For the 2024 academic year, we invite one artist from an overseas partner school and one of Joshibi alumni. 


JOSHIBI アーティスト・イン・レジデンスについて

「新たな学び・交流の場」の創出と、「教育・研究の活性化」を目指して

近年、世界の潮流として、国際芸術祭、アーティスト・イン・レジデンス(以下、AIRという)など、新たな文化芸術の創造活動の場が拡張されています。現在本学では「グローバルに活躍するための国際性を身につける教育の推進」を教育目標の一つに掲げており、学生が将来アーテイスト、キュレーター、アートマネージャー、プロデューサーとして新たな創作活動・表現の場において国際的に活躍できるような経験・学びの場が在学時代から重要であると考えています。

JOSHIBI AIRは女性アーティストを対象に、国内外で活躍するアーティストを本学へ招聘し、滞在制作の機会を提供し新たなクリエーションを支援するとともに、授業への参画やアーティストトークやワークショップなどの学生・教職員との交流の場をつくります。アーティスト個人の学びや体験を通して、教育・研究が活性化されることをめざします。

  1. 卒業生を含む女性アーティストの創作活動を支援します。
  2. アーティストの授業への参画やトーク、ワークショップなどを通し、学生・教職員との交流の場をつくること 
  3. アーティスト個人の学びや体験を通して、教育・研究が活性化されること

※2023年度の活動の詳細や、2024年度の募集については以下をご確認ください。
For information on activities in 2023, please see below.

JOSHIBI アーティスト・イン・レジデンスの主な特長

  • 卒業生を含む女性アーティストの創作活動を支援します。
  • 女子美術大学という「女性だけの美術大学」という特性をリソースとした制作、研究にフォーカスします。
  • 大学美術館、歴史資料室、各専門研究室等との連携により、大学の専門性を活用したプログラムを実施します。
  • 創作活動の成果を、学生、教員および地域にも広く公開します。

異なる視点や価値観を理解し、より広い視野に

招聘アーティストと学生が国境や自国の文化の垣根を超え、普段とは異なる環境に身を置き、異なる歴史文化背景を持つ人々とのこうした交流から得られる洞察やアイデアは新たな創造性や表現の手法を生み出す源となります。
学生たちは異なる文化や芸術形式に触れることで、学生は自身の文化的なアイデンティティをより深く理解し、
アーティストからのアドバイスや指導を受けることができるだけでなく、新しいネットワークの機会にも巡り会うことになります。

今後のイベント日程

JOSHIBI AIR通信にて掲載中です。

招聘アーティスト(2024年9~12月)

Marlene Lahmer(オーストリア)

1996年生まれ。ウィーン応用芸術大学(オーストリア)修士取得。
本学の協定校でもあるウィーン応用芸術大学の卒業生で、インスタレーション、パフォーマンス、ガラス、テキスト等を用いて作品制作をする、フェミニストのアーティスト・作家。JOSHIBI AIRには9月9日から滞在し、主にガラス工房で制作をします。

イベントスケジュール

「OPEN STUDIO」

日時:
11月26日(火)〜28日(木)13:30-18:00
会場:
JOSHIBI AIRスタジオ(相模原キャンパス 10号館別棟)

実施報告

9月11日(水)本学学長表敬訪問およびオリエンテーション
9月20日(金)5限:国際交流文化概論@杉並キャンパス
10月11日(金)5限:特別講義@相模原キャンパス 224教室
10月26日(土)「ガラスワークショップ」@相模原キャンパス 吹きガラス工房 ※地元小中高生対象。
 

宮本華子(本学卒業生)

1987年生まれ。女子美術大学大学院美術研究科博士前期課程修士取得。
自身の「家」や「家族」をめぐる物語をテーマに、パフォーマンスやビデオ、写真、オブジェ、刺繍を用いたインスタレーションを制作。JOSHIBI AIRには9月9日から滞在し、在学中に暮らした祖父母の家のリサーチを起点に制作をしています。

イベントスケジュール

「出られずとも乗り。出られずとも漕ぐ。」

日時:
11月6日(水)〜8日(金)10:00-18:00
★アーティストトークは11月8日(金)12:10-13:10(会場内)

会場:
相模原キャンパス Joshibi SPACE 1900(1号館入口)
 
宮本さんが2022年に参加した「ちくご AIRプログラム」(福岡県主催)で、スタジオとして提供された旧上床小学校のプールには、真冬にも関わらず水が貯められていました。長い年月によって澱んだ水には藻が茂り、深い緑の底が見えないプールの存在感に魅了された宮本さんは、そこでパフォーマンスを撮影。本展と同タイトルのインスタレーションを制作しました。冬の始まる11月、JOSHIBI AIRのスタジオがある、女子美術大学内で再構成し、発表します。

ハイブリッドドローイング演習 「教えない絵画教室」

日時:
11月7日(木)16:40-18:40 

会場:
ドローイングセンター(相模原キャンパス 10号館2階1026教室)

6種類の木製のおうちから好きな家を選んで、自由に装飾を行います。完成した作品は展示される予定です。
予約フォーム:https://forms.gle/gnfNbfNbMXCqusR37

アーティスト・イン・レジデンス概論@杉並キャンパス

実施報告

9月10日(火)5限:
特別講演会@相模原キャンパス 224教室

9月11日(水):
本学学長表敬訪問およびオリエンテーション

10月25日(金)〜27日(土)10:00-17:00:
「宮本座談室」@相模原キャンパス 国際交流ラウンジ/JOSHIBI AIR事務室(10号館2階)

招聘アーティスト(2023)

Lisa Großkopf|リサ グロスコフ(オーストリア)

1989年生まれ。ウィーン応用芸術大学(オーストリア)修士取得。

本学の協定校でもあるウィーン応用芸術大学の卒業生で、「日常的な文脈におけるアートの存在」に興味を持ち、領域横断的な活動を行っている。JOSHIBI AIRには10月10日から滞在し、家の中に飾られているアート作品を探して写真作品を制作している。


伊藤夏実|イトウ ナツミ(本学卒業生)

1993年生まれ。女子美術大学大学院美術研究科博士後期課程 博士取得。

JOSHIBI AIRには10月2日から滞在し、昔の女子美生たちがつけたノートや手書き資料のリサーチを進め、絵画作品を制作している。


Alazne Zubizarreta|アラズネ・ズビザレッタ(スペイン)

1994年生まれ。バスク大学(スペイン・レイオア)修士取得。
2023年7~8月にスペイン・バスク州より、  Alazne Zubizarretaさんを本学に迎え、 既にリサーチ、制作活動を実施。
スペイン・バスク州のビルバオを拠点に、ドローイングと銅版画をその活動の中心としつつ、グラフィック、タトゥー、イラストレーションなど様々な活動を展開している。

バスク自治州ビスカヤ県が主催する若手アーティスト支援プログラム「ERTIBIL BIZKAIA」からの派遣アーティスト。

ギャラリー


招聘アーティスト(2022)

Natalia Suarez|ナタリア スアレス(スペイン)

1994年スペイン・バスク州ビトリア=ガステイス生まれ  
学歴:2017-2018バスク大学(スペイン・レイオア)修士(絵画)

バスク自治州ビスカヤ県が主催する若手アーティスト支援プログラム「ERTIBIL BIZKAIA(※)」からの派遣アーティスト。Natalia Suárezは、スペイン・バスク州のビルバオを拠点に、パフォーミングアートの世界を探求しながら、絵画に重点を置いた作品を発表しています。複数の作品を並行して制作・連作とすることにより発生する新しい発見、という近年の彼女のテーマのもと、中判の絵画シリーズを制作しています。
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※「ERTIBIL BIZKAIA」について

2023年度に40周年を迎えたこのアワードは、バスクを拠点とする若手アーティストの発掘と展示機会の創出を目的としており、受賞者は賞金の受領及び日本での滞在制作の機会が設けられています。日本との関係は 2018 年からはじまり本学および遊工房アートスペース、黄金町 AIR、Paradise AIR、Studio Kuraで受け入れを行ってきました。2022 年の今年は総勢 6 名の若手アーティストたちがバスクから日本を訪れており、本学ではAIRの実験的なプログラムとして、Natalia Suárezの滞在創作活動をサポートしています。

なお、遊工房アートスペースとの連携により、同スペースに滞在中のDaniel Llaríaが本学授業への参加、学生との交流を実施しています。


ギャラリー

Untitled, oil on canvas, 195 x 142 cm, 2021

Untitled, oil on canvas, 195 x 142 cm, 2021

Untitled, oil on canvas, 86 x 74 cm, 2021

Untitled, oil on canvas, 86 x 74 cm, 2021

Untitled, oil on canvas, 84 x 76 cm, 2021

Untitled, oil on canvas, 84 x 76 cm, 2021

Gerión, oil on paper, 13 x 9 cm, 2021

Gerión, oil on paper, 13 x 9 cm, 2021

活動内容

アーティストトーク実施(2022年7月25日)

本学芸術学部アート・デザイン表現学科アートプロデュース表現領域3年次の学生が司会進行役となり、Natalia氏によるアーティストトークをYouTubeライブストリーミング配信にて実施いたします。下記より、ぜひご参加ください。

日時:2022年7月25日(月) 14:30~16:00
申込不要、入場無料

オープンスタジオ実施(2022年8月19日)

YAハイツ1Fのスタジオにて、制作中の作品を公開します。
実施日:2022 年 8 月 19 日(金) 11:00 〜 18:00
申込不要、入場無料

住所:東京都杉並区高円寺南1-4-2

連携事業:
Daniel Llaríaオープンスタジオ(8月27日)※日程に変更がありました。

実施場所:
遊工房アートスペース

〒167-0041 東京都杉並区善福寺 3-2-10
TEL:03-3399-7549
実施日:2022 年 8 月 27日(土) 12:00 〜 19:00※日程に変更がありました。

申込不要、入場無料

女子美ラボインタビュー

「スペインに女子大があるとすれば ある意味 異質なものになるでしょう」
スペイン・バスク州のビルバオを拠点に活動する若手アーティストのNatalia Suárezさんにインタビューし、ご自身の制作に影響を与えているものについてや、女子大学についてどう思うかなどを伺いました。


2022年10~12月招聘アーティスト Innes Soekanto|イネス・ソエカント(インドネシア)

プロフィール

1968
インドネシア・ジャカルタ生まれ / Born 1968 in Jakarta-Indonesia.

バンドン工科大学美術・彫刻デザイン学部卒業、学士号取得。 2004年、インドネシア大学歴史・理論・批評学部建築学科にて修士号取得 論文「公共空間における記念碑的彫刻と体制の正当性に関するブルデュー理論による批評」(英語) 「ジャカルタ市におけるモニュメント彫刻とレジームの正当性(1960-2005年)」の研究により2007年バンドン工科大学建築学部博士候補。

1993年から2012年まで、インドネシアの公務員としてバンドン工科大学で教鞭をとる。アーティストとして、賞や助成金だけでなく、国家的な研究優先権を含む多くの研究プロジェクトを獲得している。1993年から現在まで、いくつかのパブリックアートプロジェクトを設計・制作し、いくつかの国際美術展、国際ビエンナーレ、国際彫刻シンポジウムに参加した。イネスは詩や短編小説を書き、小説の出版を準備している。12歳の時に父親から誕生日プレゼントとしてもらったニコン(アナログカメラ)をきっかけに、写真にのめり込んでいる。2011年~2012年、東京藝術大学研究員。2022年10月から12月にかけて、女子美術大学AIRプログラムのアーティスト・レジデンスとして滞在予定。

Innes氏の関心は、哲学、歴史、社会学、人間性、人間の平等性にあり、デザイン、アート、教育を通して、人生を調和させ、視野を広げる努力をしている。彼女の指導の中心的なテーマは、自己同一性、パブリックアート、モニュメント、そして彼女が指導を始めた当初からの公共空間におけるアートである。

Innes SOEKANTO was born in Jakarta-Indonesia in the year 1968. Graduate Bachelor's degree from the Bandung Institute of Technology, Indonesia, Faculty of Fine Arts and Sculpture Design. Graduate Master's degree in Architecture from the Faculty of History, Theory and Criticism with a thesis on Criticism with Bourdieu Theory for Monumental Sculpture in Public Spaces and Regime Legitimacy, in 2004. Candidate for Doctorate in the Faculty of Architecture in 2007 for Monumental Sculpture and Regime Legitimacy in Jakarta City, 1960-2005.

She taught at the Bandung Institute of Technology as an Indonesian Civil Officer from 1993-2012. She got a lot of research projects, including national research priority, besides awards and grants as an artist. She designed and made several public art projects from 1993-present and participated in several International Art Exhibitions, International Biennales, and international sculpture symposiums. She writes poetry and short stories and prepares to publish her novels. She has been falling in love with photography since she on 12th years old because her father gave her a Nikon (analog camera) as a birthday gift. From 2011-2012, She was a researcher at the Tokyo University of The Art and Music. She will start October-December 2022 as Artist Residence at Joshibi Art and Design University in Japan in the Joshibi AIR Program.

Her interests in philosophy, history, sociology, humanity, and human equality are through her efforts to harmonize life and broaden her horizons through design, art, and education. Her central subject of teaching is Self-Identity, public art, monumental, and art in public space since the beginning she teaches.

ギャラリー

Private House in Jakarta, 2010
Sun lines
2.15 x 4.8 meter, August 2010 at Pondok Indah, Jakarta

Private House in Jakarta, 2010
Sun lines
2.15 x 4.8 meter, August 2010 at Pondok Indah, Jakarta

Golden Cage, 2009
Brass electroplate on wire, billiard balls, h. 65 cm

Golden Cage, 2009
Brass electroplate on wire, billiard balls, h. 65 cm

The Olympic Fine Art 2008 (OFA 2008), Beijing, China, August – September 2008

The Olympic Fine Art 2008 (OFA 2008), Beijing, China, August – September 2008

My Son is My Sun, 2008
Brass Casting and Jati Wood

My Son is My Sun, 2008
Brass Casting and Jati Wood

女子美ラボインタビュー

「大学の専門性が生み出すのは教育ある女性です」
哲学、歴史、人の交流、ジェンダー表現、公共空間におけるアートに関心があり、
また、若いアーティストたちが視覚芸術・デザインにおいて自分のアイデンティティと独自の表現を獲得するために、
自分自身を発見する方法を研究・教育している。今回のオープン・スタジオでのテーマは愛とジェンダー表現。


2022年10~12月招聘アーティスト 本間メイ(インドネシア在住、本学卒業生)

プロフィール

1985
日本、東京都生まれ / Born 1985 in Tokyo, Japan.

学歴

2009
女子美術大学芸術学部芸術学科 卒業 / BA Art Theory from Joshibi University of Art and Design
2011
チェルシー芸術大学大学院(イギリス) ファインアーツ科修了 / MA Fine Art from Chelsea College of Arts, United Kingdom

現在、東京とバンドン(インドネシア)拠点に活動し、近世から現代にいたるインドネシアと日本の歴史的関係のリサーチを基点に、資料やアーカイブといった公的なドキュメントのみならず、小説や日用品、作家自身が現地を歩き、映像を撮影するなど多角的なアプローチを取り入れ、現在にも通ずる社会・政治的な問題や多国間における関係性を考察する映像作品やインスタレーションを発表している。近年は見過ごされがちな女性に関する歴史を主に扱う。

She lives and works in Bandung, Indonesia and Tokyo. With her interest on historical relationships between Indonesian and Japan from early modern period to the present times, she uses not only documents and archival materials but also novels and everyday materials to make videos and installations. She also travels around the places related to the researches for filming. Her interdisciplinary approaches try to explore social and political issues would happen in any period and multilateral relationships. Recently, she works on making essay films to tell hidden stories of women as well.

ギャラリー

《Bodies in Overlooked Pain》(見過ごされた痛みにある体)、2020年、映像14分 

《Bodies in Overlooked Pain》(見過ごされた痛みにある体)、2020年、映像14分 

《Buku harianku tetapi bukan ingatanku –My diary but not my memories–》(私の日記、私のものではない記憶)、2018年、映像インスタレーション17分22秒

《Buku harianku tetapi bukan ingatanku –My diary but not my memories–》(私の日記、私のものではない記憶)、2018年、映像インスタレーション17分22秒

《Our special organ》(私たちの特別な器官)、2019年、映像24分

《Our special organ》(私たちの特別な器官)、2019年、映像24分

《Weight of the Fetus》(胎児の重さ)2020年、フォトアクリル、841×180×5mm

《Weight of the Fetus》(胎児の重さ)2020年、フォトアクリル、841×180×5mm

女子美ラボインタビュー

「女子美の歴史を振り返ること自体が女子教育の歴史を振り返ることに繋がっている」
本学出身の本間メイさんにインタビューし、女子大の存在意義についてや、女子美術学校創立時から学ばれている刺繍に着目し、明治後期〜昭和初期の刺繍や生糸にまつわる女性の仕事から見えてくるジェンダーについて伺いました。


相模原キャンパスツアー(10月12日)

2022年10~12月の期間にて、インドネシアより本間メイ氏、Innes Soekanto氏を招聘アーティストとして本学に迎え、10月12日(水)午後に下記のとおり相模原キャンパスツアーを実施いたしました。
当日は、インドネシア出身の本学学生を通訳に、女子美アーティスト・イン・レジデンスのボランティアサポートスタッフとしてご応募いただいた5名の学生も一緒に、学長表敬訪問、美術館見学、および教室見学を行いました。
その後、学生交流の場では、国際交流チームより本学の紹介プレゼンテーションと、アーティスト2名およびボランティアサポートスタッフからの自己紹介を兼ねたプレゼンテーションがあり、充実した交流の時間となりました。

学長表敬訪問

教室見学

教室見学

学生交流

Innes Soekanto氏によるプレゼンテーション

本間メイ氏によるプレゼンテーション

JOSHIBI国際交流チームによる本学紹介


関連リンク

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