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今回修復の対象となった小袖は津田梅子資料室に保管されており、1871年に日本初の女子留学生の一人として岩倉使節団と共にアメリカへ向けて旅立った際に着用していた華やかな小袖です。津田梅子関連資料の中でも特に人気の高い小袖でしたが、徐々に退色や刺繍のほつれなどが目立つようになりました。津田塾大学創立120周年を機に、この小袖の本格的な修復を目的として、本学染織文化資源研究所に連絡をしたことがきっかけとなり本プロジェクトが始動され、2022年度に保存処理・修復作業の全ての工程が完了しました。

ギャラリートークでは修復の陣頭指揮を担った、本学芸術学部デザイン・工芸学科工芸専攻教授であり染色文化資源研究所代表の大﨑綾子先生と、津田塾大学学長の髙橋裕子先生の対話形式で行われ、小袖に施されているデザインや手法、保存処置・修復作業の工程、今後の保存方法など、これまでのプロジェクトを振り返ってお話しいただきました。特に小袖に隠されていた歴史や特徴など、今回の研究で判明した様々な事柄は本ギャラリートークに参加をした方々の関心を集めました。

津田塾大学学長である髙橋裕子先生の「今回は私たちの宝である小袖を修復していただいたことに心から感謝申し上げます。女子美術大学と津田塾大学のご縁が末長く続くことを心から祈っております」という言葉とともに、本トークイベントは幕を閉じました。

総合報告展「心をつなぐ手仕事」は12月15日(金)まで実施をしております。ぜひご覧ください。

写真提供:津田塾大学
写真提供:女子美クリエイティブ・ラボラトリー(女子美ラボ)