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渡辺家コレクションとは、浅草にて1801年に創業された老舗「駒形どぜう」で代々受け継がれたコレクションです。江戸時代末期から明治、大正、昭和と日本が近代化を推し進めた時代に作成された和服は、化学染料の普及で色彩が豊かになり、西洋のモチーフや当時の流行が取り入れられ、アール・ヌーボーやジャポニズムなどの影響が反映されています。この貴重なコレクションは、教材として学生に活用いただきたいと本学染織文化資源研究所に寄贈されました。授業の最初には、染織文化資源研究所より大﨑先生にお越しいただき、着付けの様子から柄の説明、着物や帯の種類等の解説が行なわれました。

今回着用した着物は、御所解模様の振袖、カトレアと花鳥模様の振袖、江戸褄の5つ紋の着物。モデルを務めたのは日本画専攻の有志学生。学生たちは自分で使用する画材を選んで10〜20分間で1ポーズを描き休憩の流れを繰り返し、合計3時間ほど集中してクロッキー・デッサンに挑みました。100年以上前に作られた着物の質感やテクスチャーを間近に観察することでたくさんの刺激を受け、今後の制作の幅を拡げる貴重な経験となりました。