『YUIMA NAKAZATO』のファッションショーにて本学教員が制作した布が使用されました

1月25日、パリにて中里唯馬さんのオートクチュールブランドである YUIMA NAKAZATO の spring/summer 2023 コレクション『INHERIT』のショーが開催されました。
今回そのコレクションの一部に、本学芸術学部 美術学科日本画専攻教授の宮島弘道先生がアフリカのケニアの石を1000分の1mm粒子に粉砕し、出来上がったパウダーで同学部 デザイン・工芸学科工芸専攻准教授の荒姿寿先生が浸染した布が使用されています。

コレクション『INHERIT』のコンセプトは、中里さんが調査のため訪れたケニアでの経験に基づいており、民族衣装の巻き付ける形状や美しいドレープ、色とりどりのごみが集まった山のイメージからまだら模様の明るい生地を、捨てられた骨でつくられた装飾からアクセサリーなどがそれぞれ連想され、今回のコレクションへと展開されています。

また、テキスタイルの技術的可能性を探求してきた中里さんは、廃棄された衣服を新たな衣服へと変貌させる試みに取り組まれています。これまでのコレクションでも、人工構造タンパク質を使用した繊維『ブリュード・プロテイン』が持つ水に浸すと収縮する性質を、特殊なデジタル加工を使用しコントロールすることで、針や糸を使わずに布を自由に変形・収縮させる中里さんの独自技術『バイオスモッキング技術』を活用するなど様々な試みを行っています。
サステナブルな素材活用にも力を入れており、本学染織文化資源研究所が取り組んでいる『天然顔料サブミクロン・ナノ粒子顔料の応用創作研究』に興味を持っていただいたことで、今回のコレクションへの活用が実現しました。


■『天然顔料サブミクロン・ナノ粒子顔料の応用創作研究』とは
本学染織文化資源研究所にて行われている、天然鉱物資源の枯渇などの問題解決のために、ナノ粉砕技術・粒子デザインを利用し対応するとともに、毒性など安全性に問題を持ち染織にも供与される顔料について制作者の立場で使いやすく安全な色材についての研究。
また、本学芸術学部 美術学科日本画専攻研究室では長年にわたり岩絵具について研究を行い、人造岩絵具「エコ岩絵具21」「エコ岩絵具21プロ」を開発し販売。
天然岩絵具の市販品よりもさらに細かいサブミクロン・ナノ粒子を制作するための工房「顔料創造ファクトリー」を開設し、学生が自身の制作に使用することが可能。こうした顔料を日本画のみならず工芸(染・織・刺繍・陶・ガラスなどの領域)・プロダクトデザインなど、幅広い分野へ展開することを試みています。

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