考える力、生きる力を携えた自立した女性を世界へ。

女子美術大学は1900年(明治33年)「芸術による女性の自立」を建学の精神の一つに掲げ創立しました。2025年には125周年の節目を迎えます。私たちが今も大切にしていることは創立者である横井玉子、そしてその志を引き継いだ佐藤志津の理念を継承することです。アートやデザインの原点である思考する力、発想する力を引き出す多様な教養を身につけると共に、身体の内、外で起こるさまざまな現象や感覚について深く考える時間を大切にしています。
また、調査や取材から得られる多くの気付きや発見を通して成長できることは女子美ならではの教育であり、将来、クリエイターやアーティストとしてだけでなく、考える力、生きる力を備え、社会に貢献できる人材としてあらゆる分野に生かすことができます。女子美術大学は女子美クリエイティブ・ラボラトリー(女子美ラボ)、JOSHIBIアーティスト・イン・レジデンス(JOSHIBI AIR)、そして、ドローイングセンターの活動を進めています。
女性のための美大としてあるべき姿を模索すると共に、国内外に広がる女子美のネットワークを強化し、専門分野を越えて活躍する卒業生同士、卒業生と在学生、外部の研究者との交流も積極的に行い授業に講演会やプロジェクト活動などを通して広くアジア、世界とつながる活動を行っています。
女子美生の魅力は、協調性を持ちながらも決して群れることなく他者を認め、他者と比べることなく互いの個性を尊重できることです。本学の学びを通して豊かな心を育み、美術、工芸、デザインのどの分野にあっても芸術として花開くように、そして、建学の精神を心に刻み、美術大学として芸術の力を発揮し、社会に貢献できる人材の育成を目指しています。
女子美術大学 小倉文子
プロフィール
1949年生まれ。1989年から女子美術短期大学服飾科専任講師を経て助教授、教授に着任。その後、2007年に学部長、2011年からは学校法人女子美術大学常務理事を歴任後、2019年に学長に就任。
主な著書:『基礎造形007「CADによる創造性開発試案」』基礎造形学会論文集、「女子美術大学制服と明治の改良服」女子美術大学紀要31号(P77~91)、「女子美術大学と衣服教育-その歴史と現在ー」(株)アイシスなど