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メディア研究領域

情報とコミュニケーションをキーワードに、美術・デザインなど、造形表現の側面から情報先端技術を取り扱い、クリエイティブで人間性豊かなメディアアート表現を追究します。技術と芸術を高度なレベルで融合し、表現者として社会に様々な提案を行うことを目標としています。具体的な研究領域として下記が挙げられます。

  • 映像(映像、アニメーション、3DCG)
  • インタラクティブ(ゲーム、参加型メディアアート、Web、ロボット)
  • バーチャルリアリティ(リアルタイム3D)
  • マルチメディア(デジタル・サウンド、デジタル写真)
  • インスタレーション(照明、立体造形、空間演出など)

また、この研究領域では、平面的な視覚表現だけでなく時系列の要素や空間的要素を加えて融合し、人と人のコミュニケーションをテーマとした総合的な造形表現の研究を行います。さらに実社会とのつながりを重視し、研究機関や企業とも協同しながら、次世代の新しいコミュニケーションや技術活用について研究制作を行います。

ヒーリング研究領域

我々が日常生活において、心地よい空間、潤いのある空間で生活を営むことは、精神衛生上不可欠な問題です。精神の安静とストレスの溜まりにくい、リラックスした環境作りについて考えると、そこにはデザインやアートの存在が重要な役割りを果たす要素として関わっています。
現代社会におけるヒーリング(癒し)について、アートとデザインの領域から個々のテーマを設定し、研究していくことで、社会との関わりや必要性を探ります。 ヒーリング表現を、創作と理論を通して考えていくことにより、自己の可能性を広げるとともに社会性のある新たな発見を目指します。
また、社会の様々な現場で活用されているワークショップ型体験学習によって、個人や集団のコミュニケーションを高め、社会に横たわる様々な問題の改善方法を探ることも視野に入れていきます。加えて、医療空間や福祉施設、様々な公共空間、日常生活空間に至るまで、人の暮らしとヒーリングの関係を考察し、ヒーリングを目的とした表現、手段、媒体について、視覚伝達デザイン、住環境デザイン、映像表現、絵画表現などの作品制作や理論研究によって探求していきます。 さらに、身体と向きあうボディワークを通してアートや環境から得られた『気づき』を、各人の創作や研究に結びつけていきます。 同時に、研究テーマに対して、医学的な調査と検証、色彩心理の調査と検証に基づくデータ分析などから理論的な研究を推し進めていきます。 これらにより各自の研究を社会にどう還元し、活用していくのかといった方法についても探っていきます。

ファッションテキスタイル 研究領域

人は何のために衣服を身につけてきたのか?
そして、衣服は何のためにあるのか?
衣服は、あらゆる意味においての身体保護、装飾性、身分の証、そして自己のアイデンティティを示すなど、様々な役割を果たしています。このことを踏まえながら、日常における自然な行為を再認識し、身体や社会が提起する問いに対する答えとしての衣服や、その多様性、さらには身体や衣服に対する概念について、さまざまな視点から考察を深め、研究し、社会への還元に目を向ける必要があります。
本領域では、自己の存在と向き合いながら、人と空間、人と環境について考察し、衣服と身体の関係が、社会の中でいかにあるべきかを思索し、作品制作と論理的な研究へと繋げます。具体的な活動として、日本の伝統繊維の地域プロジェクトは、その土地の気候風土や文化の調査研究を基に、ワークショップや新しい発想から作品制作、発表へとつなげます。また、医療や福祉における産官学との連携は、テキスタイルや衣服が人の心を支え、社会参画を促すコミュニケーション・メディアとしての役割を担い、子どもや高齢者、障害を持った方々と協働して活動します。企業との連携は、商品開発や商品企画、ユニフォームの制作などにつなげています。
アートやデザインの他領域の人や物との交流を積極的に行いながら衣服造形の表現(コンセプチュアルクローズ)者、また、衣服デザインの表現(リアルクローズ)者、企画者、研究者、教育者などの育成を目指します。

アートプロデュース研究領域

経済的な繁栄だけが人間の幸福を保証する時代は終わり、その経済的な価値を根拠としてきた芸術文化の再考と、その社会化の画一的な方法論の変革が求められる中、新たな社会をデザインする高度な知識と、人間の幸福を導く発想力と行動力をもって社会に奉仕する、「表現者」としてのキュレーター(学芸員)、アートプロデューサー、コミュニケーターが求められています。
「アートプロデュース研究領域」はさまざまな芸術表現の融合によって、新たなアートプロデュースの可能性を探求し、いかに社会を蘇生創造するかという、「社会のデザイン化」に関する研究と実践を展開します。
そのためには何よりも創造的な感性が求められます。私たちが作り出すべき作品は、人間中心の「社会」そのものであるという視点に立ち、視覚芸術、音楽、演劇といった芸術世界だけではなく、広く政治、経済、教育、福祉、医療などを学んだ人々も積極的に受け入れながら、「美術館」に象徴される既存のアートの場を開放し、より人間的な「ミュージアム」のアドボカシーを発信、プロデュースしていきます。 

ヴィジュアルデザイン研究領域

人類の発生と同時に人間はコミュニケーションを通じてさまざまな文化の発展と継承を行ってきました。 人間社会の中でテクノロジーの発展に伴い情報は多様化し、コミュニケーションの媒体は、複雑化しています。情報発信は、膨大な情報の渦から選択され、迅速に、正確に、必要情報を伝えなければなりません。時には双方向で伝えあうことが必要とされるようになりました。 高度情報化社会の中で、視覚デザインの持つ意義はますます大きくなり、加えてグローバルデザイン、ユニバーサルデザインの視点も求められています。
視覚造形は造形するものが、主観的に捉えるイマジネーションを、言語でいうならば標準語としての造形言語を基礎にし、自己の独創性がさまざまな視覚伝達機能と共存させられるかを、ひとつの問題提起として実験研究するものです。
制作研究のテーマは、各自が設定したテーマによって、視覚造形分野の中で多角的に研究していきますが、出版、広告デザイン、コマーシャルフィルム、イラストレーション、写真、映像、それらのアートディレクションなど、様々な視覚情報伝達媒体に対して、また、視覚造形表現の可能性を追求する純粋なヴィジュアルアート研究までを含め制作研究の領域とします。

プロダクトデザイン研究領域

デザインとは、人と人とのコミュニケーション・人とモノの関わり・人と環境のあるべき姿の考察、および独創的な創作活動の実践を行います。その中でも、プロダクトデザインは、「ヒト(人)」と「モノ(物)」の関係において、その背景にある事象「コト(生活・環境)」を考え、「モノ(道具・形態)」を創るデザインです。そのデザインの基本は、手を使ってモノを想い・考え、コトを発想・考察し、またモノを創り、提案する作業です。
現在、私達の社会・生活の中には多くの「モノ」が満ち溢れています。新しく良い「モノ」を創造・提案するためには、「ヒト」の感性や生活や環境を充分観察・考察し、機能(用)と造形(美)の関係や意味を熟慮し、発想・創造していく姿勢が必要とされています。
価値観の多様化に伴い“デザイン”に高い感性が問われる今、モノに対する細やかな感覚と生活へのこだわりがより一層、デザインに求められています。
本研究領域では、プロダクトデザイン本来の意味を充分に理解し、デザインに不可欠な発想力、技術力、表現力を、各自の研究テーマに即して、調査・研究・考察をおこない、より高度なデザイン能力や、各自の個性・美意識を高める事を目指します。

環境デザイン研究領域

環境デザイン領域は、人と空間・環境の相互関係をデザインし、21世紀の新しい生活環境を研究する場です。
20世紀の近代デザインは、人々が共に健康で豊かな生活ができる社会の実現を目指しましたが、科学技術や社会構造の急激な変化が引き起こした資源浪費や環境破壊などのマイナス面に十分な対応ができませんでした。その解決が求められているのが現代であるといっても過言ではありません。
本研究領域では、インテリアデザインと建築・都市デザインを通して、人にやさしい生活空間と持続可能な都市環境への提案を行います。そのために手と目から思考する自由で高度な研究・創造活動を支援します。

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