インタビュー

自分一人で描いていると思わないこと

丁子 紅子

営業部
ジュエリーデザイナー
株式会社ライム商会/夢仕立工房
(http://jewelryreform.jp)

2013年3月卒業
芸術学部 絵画学科 日本画専攻
(現:美術学科 日本画専攻)

-今のお仕事のどんな所が好きですか? お客様の想いをカタチにできるところ。
人と深く関わりながらなにかを作れる仕事がしたい。そんな気持ちでジュエリーデザインの仕事の中でもオーダーメイド、リフォームリペアの仕事を選びました。
売れる商品をデザインするのではなく、目の前のお客様とお話をしながら、お持ちいただいた大切なジュエリーを活かして、その方としか作れないたったひとつのものをデザインさせていただけるところが魅力だと思っています。
デザイン、ご提案をするなかで、たくさんの方とお話ができる仕事なので毎回新鮮で日々楽しみです。
-なぜ女子美を選んだのですか? ここでなら自分らしく頑張れる気がしたから。
正直、私は滑り止めでした。しかし、浪人せずに女子美に決めたのは日本画の先輩の作品から真面目さを感じたからです。この学校でならしっかり学べるのではないかと考え、進学を決めました。
-女子美で学んで携えた力・強さとはどんな事ですか? 自ら行動する力。
女子美はとても伸びやかで、自然体でいられる場所ですが、そこに身を預けすぎてしまうと、目の前のことまでしか出来なくなってしまう恐ろしい環境でもありました。どんなところでもそうだとは思いますが、自由な環境の中では何でも自分で切り開いていかない限り、その先が広がることはありません。ただ逆に女子美では、自分で何かアクションをおこすことで、たとえ些細なことだったとしてもプラスに変わっていくことを実感しやすい環境でもありました。もっともっと努力して色んなことに挑戦したい、とモチベーションをあげていき、自分で行動していけば、環境はいくらでも変わっていくということを女子美は学ばせてくれました。
-女子美の強みを一言で表すと? 女性だけの環境。
皆それぞれが、自分を本当に強く持っていて、プライドが高い。女性ならではのまっすぐで真面目な頑固さ。それらが集まることで、制作に対してもそれぞれが意識し、刺激し合ってとてもいい空気の中で制作出来るところが強みだと実感しています。
-制作に携わる上で大切にしていること 自分一人で描いていると思わないこと。
今自分が絵を描いていられるのは、両親をはじめ、身の周りの人たちが絵を描いている自分を認めてくれ、支えてくれている環境があるからです。
自分が努力することは当たり前なことですが、そうして得られた結果はその環境がなくては決して得られるものではありません。
描かせてもらっている。そのことを思えば努力して結果を出すことが恩返しですし、一番大切にしなくてはならないことだと思っています。
社会に出て働くようになり、より一層その気持ちは強くなったように感じます。
-女子美生に共通している強さとは? 私は私。
良い意味で、周りを見すぎないところだと思います。
自分は自分らしく。何を言われても心の底にある軸はぶれない強さを持っている学生が多い気がします。
他の大学の作品と見比べると、ダントツでそれぞれの主張が強いですし、制作へのまっすぐさを手に取るように感じます。かといって展示をしたときにまとまりがない訳ではなく、うまく響き合っているのは、根本の“女性”という共通点から成り立つものなのかなと思います。