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漫画家の夢を高校生で再認識。
入試ポートフォリオは……“遺影”?

相馬さんは、漫画家になりたいという夢を幼稚園のころから密かに抱いていたといいます。「もともと絵を描くことが好きで。でも気恥ずかしくて言えず、中高一貫の女子校の普通科にいた頃も、中学3年生くらいまでは普通の大学に進もうと思っていました」。美大を意識し始めたのは高校生になってから。「イラストや漫画を描く部活に所属していたんですが、先輩や友人が美大を目指していて。そこから私も調べ始めました」。
周囲の環境に後押しされ、美大進学を目指し始めた相馬さん。女子美を選んだ決め手は「漫画家を目指せる専攻があること」そして「雰囲気」だったそう。「(アート・デザイン表現学科のある)杉並区ってけっこう静か。やっぱり静かな環境でやりたいなと。あと、オープンキャンパスで案内してくれた学生スタッフの皆さんが気軽に話しかけてくれて。優しい人、多いんだなって思いました。私がオープンキャンパスに行った他の大学にはない感じでしたね」。

相馬幸佳さん

入試では、AOと公募制推薦を受験。「最初にAOを受けましたが落ちて、その後公募で受かりました。AOで落ちたときは3日間くらいへこんで、公募のために作ったポートフォリオが、色のない、“遺影”みたいになって……。ただ、最終的には周囲に説得を受けて色のある形に落ち着きました」。そんなポートフォリオを携え、晴れて合格。「面接で『AO入試は狭き門だからそこまで気にすることはないよ』って優しく言ってもらえたんで、終わった後はちょっと気が楽でした(笑)」。

ポートフォリオ
ポートフォリオ

話が合う子が多いから、
自分の趣味も言いやすい。

女子美での大学生活。授業内容も中高の頃とはがらりと変わり、美術に関する授業が多くとても楽しいといいます。
そして、話の合う子が多いのが女子美の好きなところ、と笑顔で話す相馬さん。「美術系の子っておとなしいイメージが勝手にあったんですが、メディア表現領域の子ってすごい騒ぐし、(自分の意見を)ガーッて言ってくるんですよ(笑)」。「趣味の話でよく意気投合するんです。例えば高校までだと『週刊少年ジャンプ』が好きと言ってもわからない子が多かった。少女漫画しか読まないとか、そもそも漫画を読まないとか。女子美ではそういうことがなく、自分の趣味を言いやすいんです」。

相馬幸佳さん

相馬さんは今、学内の行事などを運営する学生スタッフとして、来校証やポストカードを制作するチームのリーダーを務めています。「来校証はオープンキャンパスに来てくれた受験生に渡すパスのようなものです。私たちはそのデザインから印刷の発注をして、当日受験生に渡したり、受験相談などのコミュニケーションもしたりします」。
「学生スタッフは先輩がすごい優しくて、高校のときにはなかった、年代を超えた仲の良さがあります。学校の課題と重なって忙しいときはありますが、それを差し引いても入って良かったなと思いますね」。

相馬幸佳さん
オープンキャンパスの来校証
オープンキャンパスの来校証
女子美祭スタッフTシャツ
女子美祭スタッフTシャツ

授業や制作を通して、
一歩一歩夢に向かう。

現在、2年生。学生スタッフでも実績を着実に積み上げている相馬さんに、これからの目標について尋ねました。
「漫画家の夢は継続しています。けど、すごい仕事が遅いんですよ、私。もともと日頃から物語を考えているんですが、実際に漫画に描き起こすまでは……ただ、2年生になって大学生活にも慣れてきたから、少しずつ作品づくりを増やしていきたいなと思っています」。これから楽しみな授業はやっぱり「漫画の演習」。そして「アニメーションやストーリー系の演習。あとイラスト系の演習も、描くために参考になる授業なんじゃないかなと思っています」。女子美の日々を糧に、相馬さんは一歩ずつ着実に目標に向かっています。

※2019年5月に取材したものです。