インタビュー

初めに立てたコンセプトに従って表現すること

小池 和香奈

自営業
デザイナー
MEW New York

シニアテキスタイルデザイナー
GAP. Inc

2000年3月卒業
芸術学部 工芸科
(現:デザイン・工芸学科 工芸専攻)

-今のお仕事のどんな所が好きですか? 美術館に行ったりショッピングすることで、インスピレーションを受け、それを仕事に生かしながら自分のセンスが成長していくのを実感できる点。
自分のデザインを実際に着て使えること。また、街で自分がデザインした服を着ている素敵な人を見かけた時や、雑誌などでも見つけた時に、この仕事を続けていてよかったなと思います。
-なぜ女子美を選んだのですか? 女子美の工芸科に興味があったから。
将来ファッションの世界で働きたいと考えていて、専門学校に行こうかとも考えたのですが、両親からどうしても大学に行ってほしいと説得され、美大進学の道を考えました。ファッションの中でもテキスタイルが好きだったので、当時通っていた予備校の先生に相談したところ、女子美の工芸科の染織コースをすすめられ受験しました。
-女子美で学んで携えた力・強さとはどんな事ですか? 自分の作風や道をストイックに追求できること。
女子美は、周りに左右されず、トレンドに流されず、ストイックに自分の作風は何か、ゆっくり考えることができる場所でした。モダンな要素の視点からだけではなく「日本の伝統」というフィルターを通して、自分は何を表現したいのか突き詰めて考えられた場所でもありました。
-女子美の強みを一言で表すと? 長い歴史とその深さ。
今、海外で働いているので、単なるモダンの中で勉強するのではなく日本の文化を大切にし、日本の良いところを学びながらモダンで自由な作品を作れたことが、とても今の仕事に活きています。また、織の制作は、かなり時間のかかる地道な作業ですが、なんでもスピード優先の忙しい情報社会の中では、そうしたゆっくり手でものを作る貴重な時間を若い時に持てたことこそが大変良い経験であり、自分にとってプラスになっていると思います。
-制作に携わる上で大切にしていること はじめに立てたコンセプトに従って表現していくこと。
自分のブランドを続けていく上で、トレンドに流されそうになったり、趣味が変わりそうになったり、自分にとってさまざまな変化があります。それでも他に流されずに、はじめに立てたブランドコンセプトや、自分の感覚に従って表現していくことが大事だと感じています。
-女子美生に共通している強さとは? パワフル!
ニューヨークには女子美同窓会があり、ニューヨークで活躍されているさまざまな年代の先輩と話す機会がありますが、みんなすごくパワフルで、女子特有の粘り強さをもった人ばかりです。