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財務の概要

財務の概要

1. 決算の概要

本学は、記念すべき創立110周年の節目を迎えるにあたり、教育組織においては、平成22年4月をもって、芸術学部を現在の7学科から3学科に発展的に統合し、そのうち1学科を杉並キャンパスに開設します。短期大学部および付属高等学校・中学校につきましても教育課程・教育体制の一層の充実を図っています。
この改革に呼応して、ハード面においては、杉並キャンパスでは、3号館の建て替えを始め、2号館および5・6号館の整備、和田寮跡地に新体育館の着工など教育研究環境の一層の整備・充実を図りました。
平成21年度の消費収支概況は、収入面では、一昨年から続く経済不況の影響もあって、寄付金や学生生徒等納付金で若干の減少がありましたが、補助金や資産運用収入ならびに雑収入等が予算を上回り、基本金組入れも予算比で10億円下回ったため、消費収入合計では予算額を13億6千万円上回りました。
他方、支出面においては、人件費や管理経費ならびに資産処分差額が予算を上回ったため、支出の総額では予算額を1億4千万円上回ることになりました。
これらの結果、収支状況は、予算では14億円の消費支出超過を見込んでいましたが、最終的に1億8千万円の消費支出超過となりました。
将来的には消費収支の均衡を目指していきますが、収入を多く見込めないここ数年間は、帰属収支差額比率を12%以上(約10億円)確保することを目標に、支出面では経費削減等を推進して健全性を確保した財政運営を目指します。

(1)消費収支計算書

収入の部について、学生生徒等納付金は、9年間改定を見送っていますが、対予算比でほぼ同額、対前年比で7千万円の減となりました。
手数料は入学検定料収入が中心となっており、予算比で5百万円の増、前年比でほぼ同額となりました。大学全入時代の到来により受験校数の絞込みもさらに進むことが予想されるため、今後も厳しい状況は続きます。寄付金は予算比で9百万円の減、前年比で4千4百万円の増となりました。おもな要因は創立110周年記念事業寄付金と現物寄付金によるものです。寄付金収入は財務基盤強化策としての資金調達の観点からも積極的に取り組むことが求められています。補助金収入は、全体では予算比で1億8千万円の増、対前年比で6百万円減10億5百万円となりました。おもな要因はGPの獲得や経常費補助金によるものです。資産運用収入は、世界的な金融市場の混乱や低金利政策の継続など社会的な背景がありましたが、元本が保証され、かつ比較的高利回りの債券の運用で、予算比で7千万円増、対前年比でほぼ同額となりました。事業収入の中には、学生寮等の収入や研究所およびオープンカレッジセンターの事業を含んでおり、予算比で1千3百万円増、対前年比では3千4百万円の減となりました。おもな要因は、平成20年度から開講した「サテライト講座」による公開講座収入の増によります。
以上の結果、帰属収入の合計は83億円となり、予算比で3億4千万円の増、前年度比では3億6千万円の減となりました。 基本金は、学校法人の設置する各学校が行う教育研究の条件を永続的に維持向上させるための不可欠な資産で、経常的な施設設備整備、機器備品、図書等が含まれます。本年度は、杉並キャンパスの新3号館新築および隣地購入など第1号基本金組入分、また、杉並キャンパス校地拡充・校舎整備事業資金としての第2号基本金組入分など合計して最終的に12億2千万円の規模となりました。
他方、支出の部について、人件費全体では37億円4千万円となり、予算比で4千7百万円の増、前年度比では9千2百万円の減となりました。
おもな内訳として、予算比では、退職金および退職給与引当金が影響して7千6百万円の増となりました。前年度比では、選択定年を含む定年退職者が、平成20年度の14名から平成21年度は9名となったことが影響して、退職金および退職給与引当金は、3千8百万円の減となりました。学生生徒納付金に占める人件費の割合である人件費依存率は、56.6%となりましたが、付属校を除く学生納付金と退職金財団交付金に占める実質依存率は52.7%となります。教育研究経費は総額で24億円6千万円となり、予算比で8千5百万円の減となりました。この要因は、校舎等各種工事費を決算処理で管理経費へ按分処理したことと、科目の変更および経費の削減によるものがおもな要因です。学生生徒等納付金に占める教育研究経費の割合である教育研究経費依存率は、37.2%となっています。管理経費は、総額で8億4千万円となっており、予算比では6千2百万円の増となっています。この要因は教育研究経費と同様、決算における教育研究経費・管理経費の按分比率によるものです。学生生徒等納付金に占める管理経費の割合である管理経費依存率は、12.6%となっています。資産処分差額は総額で1億8千万円で、和田寮等解体に伴う除却損7千万円、有価証券の時価評価下落に伴う特定資産評価差額9千万円がおもな要因です。

(2)資金収支計算書

平成21年度の収支状況を、資金収支計算書により資金の流れでみると、収入額は、平成22年度新入生の入学時納付金の前受金収入等を含め124億円で、前年度より繰越された83億円を加えると、収入合計は208億円になりました。 一方、支出額は、人件費、教育研究経費、管理経費、借入金返済、施設・設備関係支出等125億円でしたので、差引83億円が次年度への繰越支払資金となりました。

(3)貸借対照表

本学の財政状態を貸借対照表によって説明すると、平成21年度末の資産の総額は422億円で、その内訳は有形固定資産216億円、その他の固定資産119億円および流動資産86億円となりました。他方、負債の総額は、借入金、退職給与引当金、前受金など合計して62億円で、基本金は362億円となり、その内訳は、校地・校舎・機器備品・図書など教育・研究に必要な資産の自己資金調達額を示す第1号基本金が346億円、将来の施設設備の取得に充当するための資金の保有額を示す第2号基本金が8億円、奨学基金としての第3号基本金が3億円、恒常的支払資金のための第4号基本金が5億円となっています。翌年度繰越消費支出超過額は、当年度1億7千万円の消費支出超過額によって、平成21年度末で2億5千万円となりました。
本法人の財政状況を中期的に展望してみると、収入では帰属収入の柱である学生生徒納付金については、他美術系大学において上位水準に位置しており、今後改定することは困難であると考えられます。本法人では財源のほとんどを学生生徒納付金に頼っていますが、学費依存型の収入構造には限界があり、経費をより一層削減する施策や新たな収入増につながる諸施策の推進を図る必要もあります。
また、適切な財政基盤の予算配分を実現するためには、収入に見合った支出構造にしなければなりません。本法人では財務指標に関わる目標数値を定め、堅実な財務運営を行い、安定かつ継続的な大学経営に努めていきます。 今後も、中長期的な施設計画を基とした基本金政策および経常的な経費の支出抑制策について、具体的な取り組みを強化推進していきます。
なお、これらの計算書は、「学校法人会計基準」に基づき計上し、各計算書を含めた公認会計士による法定監査を受けた後、文部科学省に提出し、数年おきに会計検査院の検査を受けています。

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