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NYに行かれたきっかけはなんですか?

子どもの頃から洋裁をする母を見ていて、自分でデザインした洋服をつくりたいと思っていました。コスチュームデザイナー、故石岡瑛子さんや、きもの打掛キルトをデザインする服部早苗さん(女子美卒)への憧れもあって、コスチュームデザイナーになりたいと思ってニューヨークへやってきました。

どのようにしてバッグデザイナーへなられたのですか。

NYでスタイリストとして働いている頃、冬の間はお仕事が少ないためにサイドビジネスをしなくてはならないと感じ、洋服をデザインして売ることを考えました。でも、日本とは違い洋服のサイズ展開の幅が広く、資金もたくさん必要になるため、サイズの必要のないものはないかと考えてバッグのデザインと制作を始めました。知人の注文の洋服をつくっているときに残ったハギレを利用して、手提げのようなものをつくり始めました。最初の頃は友達にプレゼントしたりしていたのですが、ある友人が委託で売ってみたら、と紹介してくれたチェルシーのお店で売ったのがTESAGE販売のスタートでした。

TESAGE ポーチ
さまざまなテキスタイルを使い
スタジオで手づくりしているポーチ

バッグづくりで心がけていることはどんなことですか?

最初の頃は量産ではつくられていないおもしろい素材のバッグ(タオル地、ニット、オーガンジーなど)を使い、色の組み合わせを楽しんでいました。ビジネスとなるとある程度の数を毎月売っていかないと経費が払えませんから、お客様の要望を聞いているうちにだんだんと黒やベージュなど落ち着いた色が増えてきました。それでも、他とは違ったそして日本人がつくる繊細で上品なバッグをつくることを心がけています。他のメーカーはほとんどが中国などの外国生産ですが、私達はUSAでつくることにこだわっています。現在は全てうちのスタジオで手づくりです。

女子美時代はどんな学生生活だったのですか?

短大のカリキュラムや課題は大学4年を2年で消化しているような量で、毎日大変過密なスケジュールでした。そんな中でも女子美は23区内にあったおかげで、展覧会や個展、美術館など、どこへでもすぐにいけるので、手軽にたくさんのアートやクラフト、ファッションデザインに触れたことがとても刺激になり、今でも役に立っていると感じます。

女子美の学生にメッセージをお願いします。

自分のカラーをつくる!大学時代に自分の個性、カラーをつくるためにいろいろなことに挑戦することをお勧めします。そしてつくった作品をまとめてポートフォリオにするのです。今はネット上にポートフォリオをつくるほうが良いかもしれません。Do What You Love! 好きでないと仕事は続きません。好きな仕事をめいっぱい楽しんで、素敵なデザインをして世の中の生活空間を素敵なアートやデザインで人々に夢を与えてください!